
mobifone、Vinaphone、Viettel、3種類のSIMを買って現地で試してみました。
最近はSIMフリーのiPhoneやスマートフォンを使う人が増えてきているので、海外旅行で現地のプリペイドSIMに挑戦したい、という話をよく聞くようになりました。
この記事では2018年4月のベトナム旅行で、ベトナムの主要3社のプリペイドSIMを実際に使ってみたレポートをお届けしたいと思います。
始めてのベトナム旅行で使う、使いやすいプリペイドSIMを探している、という方の参考になれば幸いです。
更新情報
2019/9/17 Amazon購入のmobifone SIMについて価格情報を更新しました。
初めてのベトナムSIMならAmazonのmobifone SIMカードがおすすめ

日本のAmazonで購入したベトナムmobifoneのプリペイドSIM
記事が長くなってしまったので、まず先に結論からお伝えすると、今回のベトナム旅行でMobifone, Vinaophone, Viettelというベトナム主要3社のプリペイドSIMを使ってみた結果、総合的にはMobifoneがオススメと感じました。
利用方法も丁寧な説明書が同梱されていたので、海外SIM初心者でもそれほど苦労せずに接続できると思います。
価格も、私が購入したものは30日間10GBで630円(2019年9月調べ)ととてもリーズナブルです。
mobifoneはこんな人にオススメ
(日本のAmazonで買える)mobifoneプリペイドSIMはこんな方にオススメです。
- 日本で買えるSIMだと安心の人
- ベトナムの郊外にも行く予定がある人
- 写真や動画のアップロードをあまりしない人
mobifone SIMの速度はまずまず
ベトナム旅行のうちの1日、ホーチミン市内中心部で朝・昼・夜の3回に分けてmobifoneのプリペイドSIMのスピードテストを行った結果がこちらです。
時間帯 | 上り | 下り | ping |
---|---|---|---|
朝 | 爆速 21.8Mbps | 3.86Mbps | 21ms |
昼 | まあまあ 6.61Mbps | 1.48Mbps | 22ms |
夜 | 快適 11.5Mbps | 2.57Mbps | 20ms |
- 遅い 〜1Mbps:LINEのテキストメッセージ(文字のみ)ならなんとか使えるレベル。場合によってはテキストメッセージすら厳しいことも。
- まあまあ1Mbps~5Mbps:LINEなどのメッセージアプリやWEB検索ぐらいなら十分使える。地図アプリや、インスタなど写真が多いアプリ・ページだと少し引っかかりを感じるかも。
- 快適 5Mbps~10Mbps:Google Mapなどの地図アプリや、インスタなど写真が多いページ・アプリでも問題なく見られる。動画も画質を落とせば十分見られる。
- 爆速 10Mbps~:WEB検索や地図アプリはもちろん、動画視聴も問題なく使えるレベル。インスタやLINEに動画を上げてもストレスフリー。
※遅い~爆速の基準は各国の通信事情からタビノススメが独自に判定したものです。
※速度の数値は上りと下りの単純平均を目安として示しています。
昼に若干スピードが落ちたものの、pingが20ミリ秒代前半なので、ネット検索などは思ったよりストレスは感じませんでした。
Youtubeなどの動画を見ても、朝や夜はもちろん、混雑していた昼の時間帯も高画質でギリギリ視聴できたので、検索やSNS・動画の閲覧(受信)メインで使われる方なら、全く問題なく使えそうです。
上りが若干遅いかも

shutterstock.com
スピード測定をした時以外にもmobifoneプリペイドSIMを1日中使ってみたところ、基本的にはあまりストレスなく利用することができましたが、強いて言うなら上り(送信する速度)に若干の遅さを感じたことがありました。
それで、次のような上り(送信・アップロード)の利用が多いタイプの人は、この次に紹介するVinaphoneも検討してみることをお勧めします。
mobifoneでは力不足を感じるかもしれない人
- 動画の投稿を考えている人
- 大量の、または連続で写真をアップする予定のある人
- 仕事で添付ファイルを送受信する人
mobifoneは4Gエリアが広いので使いやすい
mobifoneが総合的に優れていると感じた、もう一つの理由はエリアの広さです。
特に日本人の訪れることの多いホーチミンでは、特に2017年から4Gエリアがかなり拡張されたようで、主要エリアのほとんどで4Gがカバーエリアになっています。
私も実際にホーチミン市内各所で使ってみましたが、一度も3Gに落ちることなく利用することができました。
- 3G :実質速度1~5Mbps程度で、通常のWEB閲覧は問題ないものの、動画を閲覧したり、写真を送信したりするのには不便を感じる。日本でも山間部などへ入ると今でも3Gに切り替わることも。
- 4G :実質速度5~50Mbps。動画の閲覧や大きなファイルの送信などもストレスなく行える。日本では現在ほぼ全国で4G(LTE)が利用可能。
ホーチミンのmobifoneエリア(橙:4G/緑:3G)

ホーチミン市内のmobifoneサービスエリア(2018年9月調査 出典:nperf)
ハノイ

ハノイ市内のmobifoneサービスエリア(2018年9月調査 出典:nperf)
ダナン

ダナン市内のmobifoneサービスエリア(2018年9月調査 出典:nperf)
mobifoneの4G SIMカードは、日本でもよく使われているBand3(1800Mhz LTE FDD)という周波数を使っているため、日本のSIMフリーiPhone/スマートフォンはベトナムでもそのまま使うことができます。
ドコモやau、ソフトバンクのiPhoneも、SIMロック解除すればベトナムの現地SIMを利用できるようになりますよ。
mobifone SIMは価格も現地の空港で購入するのとほぼ変わらない
一般に海外SIMは現地で購入する方が安いことが多いのですが、ベトナムSIMに関しては日本で購入する方が安いという逆転現象が起きています。
例えば、2019年9月現在、Amazonで買えるmobifoneのSIMの価格は630円なのに対し、ベトナムの現地空港で購入するSIMは約900円~の価格になっているので、日本のAmazonで買った方が安いんですよね。
もちろん同じ通信会社(ここではmobifone)のSIMであれば日本で買ってもベトナム現地で買っても使い勝手は同じです。
事前にAmazonで購入しておけば、現地でSIMショップを探したり購入したりする時間も節約できるので、ダブルでお得ですよね。
現地空港のSIMショップで購入すればスマホの設定はやってもらえる
ベトナム現地の空港などでSIMカードを購入すると、SIMショップの店員さんがスマホの設定をしてくれるというメリットもありますね。
SIMの設定に自信がない場合は現地で購入するのもありだと思います。
ショップによってはスマホの画面を英語にするよう言われることがありますので、言語設定を英語にする方法だけ事前に復習しておくといいかもしれません。
mobifone SIMは数日間の短期旅行なら十分な容量
2019年9月現在、日本のAmazonで販売されているmobifoneのSIMは30日間10GBの大容量のものです。
ベトナム旅行中は写真や動画を送受信したりすることも多くなる事も多いので、通常日本にいる時よりもデータ消費量が多くなりがちですが、5日間や1週間程度の短期旅行なら10GBの容量を使い切ることはまずないでしょう。
2週間以上の旅行だと少し足りないと感じるかもしれませんが、ホテルのWiFiやフリーなどを活用すれば1ヶ月程度は十分持つのではないでしょうか。
そもそも価格が安いので2枚買って持って行くのも全然ありですよね。
mobifone SIMのスマホ設定方法
最近のSIMフリーiPhoneやスマートフォンは、海外SIMでも自動設定されることが多いので、APNなど特に難しい設定は必要ないことがほとんどです。
私もmobifone SIMを使った時には、特に設定なしで使用することができました。(Huawei Mate9/Android8.0)
もし自動で設定がされなかった場合は、スマホやiPhoneの設定画面⇒モバイルネットワーク画面から以下の項目を設定するようにしましょう。
設定項目 | 設定値 |
---|---|
APN名 | mobifone |
APN | m-wap |
ユーザー名 | mms |
パスワード | mms |
認証方式 | CHAP |
VietnamobileのSIMカードに注意!

VietnamobileのSIMはiPhoneでは4Gが使えない
AmazonでベトナムSIMを検索すると「Vietnamobile」のSIMカードが500円を切る低価格で販売されています。
ベトナムSIMを扱ういくつかのブログでも勧められていますが、実はこのVietnamobile SIMには大きな問題があります。
現在、VietnamobileではiPhoneで4G接続を使用することができず、3G接続のみとなります。
さらに、ベトナム現地から発送される方のVietnamobile SIMの方には「使えなかった」というレビューが多数見られるので、十分に注意してください。
ベトナムSIMを現地空港で買うならVinaphone

ホーチミン市内でのスピードが優秀だったVinaphone
上でも少し触れたように、Mobifoneの強みはほどほどのスピードと広いエリアですが、特に昼間などは上り(送信)の速度が遅くなりがちなので、ヘビーに使う用途にはちょっとストレスを感じるかもしれません。
もし、LINEやInstagramなどで写真や動画をよく投稿(送信)したい人や、ビジネスの出張で日本と添付ファイルのやり取りをすることがある、などという場合は、Vinaphoneの方がよいかもしれません。
Vinaphoneはベトナム第2位のモバイル通信キャリアで、ベトナム郵電公社を母体とするVNPTグループの企業です。
Vinaphone SIMはこんな人にオススメ
今回VinaphoneプリペイドSIMを使ってみた結果を見て、こんな方にオススメだと感じました。
- 旅慣れた人
- エリアが多少狭くても、スピードを優先したい人
VinaphoneのSIMを購入できる空港

ハノイ・ノイバイ空港
私は今回、ハノイ・ノイバイ空港でVinaphoneのSIMを購入しました。
ベトナムの空港には、ホーチミン・タンソンニャット空港、ハノイ・ノイバイ空港ともに到着出口を出たところにSIMショップ(兼両替所)が並んでいて、そこで簡単にSIMカードを購入することができます。

ベトナムの空港にはSIMショップが並んでいる
簡単な英語で会話できますし、ほとんどのSIMショップは料金表を見せてくれるので、購入はそれほど難しくないと思われます。

ショップ店頭には各種SIMがディスプレイされているが…
Vinaphone SIMのエリアは狭いが実用上問題なし
上でも参照したnperfで、ホーチミンのVinaphoneエリアを調べてみました。
mobifoneと比べると4Gエリアが若干狭いように感じられますね。
ハノイ
ダナン
mobifoneと比較すると差は明らか
mobifoneとVinaphoneのホーチミン市内マップを同じエリアで比べてみると、オレンジで塗りつぶされている4Gエリアの違いがはっきりしています。(左がMobifone、右がVinaphone)

mobifoneとvinaphoneのエリアを比較(ホーチミン)
ただ、正直なところ、短期の旅行で、移動範囲もそれほど広くなかったこともあって、私自身はViettelのエリアが狭いとか、よく3Gに落ちて困ったということはありませんでした。
ホーチミン市内ならVinaphone SIMは超高速!
さて、エリアの面ではmobifoneに及ばないVinaphoneでしたが、ホーチミン市内の中心部に限って言えば、4G回線の速度は非常に快適でした。
時間帯 | 上り | 下り | ping |
---|---|---|---|
朝 | 爆速 31.9Mbps | 13.3Mbps | 19ms |
昼 | 爆速 20.8Mbps | 6.06Mbps | 14ms |
夜 | 爆速 22.1Mbps | 9.73Mbps | 19ms |
上りが速いと快適さを実感
Vinaphoneが特筆すべきなのは上り(送信側)のスピードがかなり速いことです。
混雑しがちなランチタイムでも上り6Mbpsと快速で、一瞬で写真を送ることができました。
動画も、一日中いつでもYoutube高画質で止まることなく閲覧できたので、スピードの面ではVinaphoneがピカイチと言えそうです。
価格・料金は?
今回、私が購入したのはVinaphoneのデータ専用(インターネット接続専用)回線の「ONLY INTERNET ACCESS PACKAGE 1」というものでした。(恐らくこのショップ独自の名称かと思います)
7日間有効で価格は200,000ドン
(約946円)、毎日1GBまで4G高速通信が利用可能というプランでした。
ビジネス利用でも、Instagramのような写真の送受信が多い使い方でも、1日1GBあれば十分ですね。
(約237円)プラスすると18GBまで利用可能という上位プランもありました。
現地で買えば安いという訳でもない?
今回、私がAmazonで購入したmobifone SIMは630円だったのに対し、ノイバイ空港で購入したのは900円台と、現地で購入した方が高い、という結果になりました。
もちろん、容量が違うことや、事前に安いお店を調べたりした訳ではないので、単純に比較することは難しいのですが、頑張って現地で買えば節約できる、とは限らないようです。
SIM販売店でVinaphone SIMを買えばスマホの設定はお店でしてもらえます
ベトナムの空港などにあるSIM販売店でVinaphone SIMを購入する場合、基本的に店員さんがスマホやiPhoneの設定を行ってくれるので店員さんにお任せしておけば大丈夫です。
もし店員さんに設定してもらえなかった(設定できなかった)場合は、スマホ/iPhoneの設定画面⇒モバイルネットワーク画面から以下の情報を設定しましょう。
設定項目 | 設定値 |
---|---|
APN名 | Vinaphone |
APN | m3-world |
ユーザー名 | mms |
パスワード | mms |
認証方式 | 未設定 |
データ通信専用(インターネット専用)プランのデメリットは?

Dual SIMスロットにmobifoneとVinaphoneの2枚挿し
ビジネス出張など、海外旅行中に現地の電話番号が必要になるケースがある場合を除いて、ほとんどの場合はデータ通信専用(インターネット専用)プランでもほとんどデメリットはないと思われます。
日本との連絡はSkypeやLINEなどで行えますし、「050Plus」のようなIP電話アプリを入れておけば、日本からの電話を受けることもできます。
SIMショップの方に聞いてみても、外国人旅行者のほとんどがやはりインターネット通信専用のデータプランを購入されるとのことでした。
Viettel SIMも試してみたけどちょっとがっかり
ホーチミン滞在の最後に、ViettelのSIMを試してみようとViettelショップに立ち寄ってみることに。

ホーチミン市内のViettelショップ
全くベトナム語は話せない私ですがが、「モバイルSIM インターネット オンリー」ぐらいで問題なく要件を伝えることができました(^_^;

Viettelショップ店内はけっこう混雑
店員さんが紙に書いてみせてくれた料金表によれば、一番安い3.5GBのプランで50,000ドン
(約237円)だとのこと。

ViettelプリペイドSIMの料金プラン
ベトナム旅行の残り時間も少ないので、この一番安いプランを購入することにします。
ベトナムSIMには本人確認が必要?
空港のSIMショップと違ったのは、パスポートによる本人確認が必要だったことです。
調べると、どうも本人未確認のSIMは無作為に停止されてしまうリスクがあるのだとか。
私は幸いにもSIMが止まるという経験はしませんでしたが、ベトナムに比較的長くいるなら本人確認しておくのが良さそうです。
速度はいまいち
さて、本人確認の後、店員さんがスマホに必要な設定をしてくれて、無事に3枚目のベトナムSIMをゲットすることができました。
ただ、こうしてベトナム旅行の終了間際に購入したViettel SIMですが、残念だったのがスピードがイマイチだったこと。
スピードテストをする機会が1回しかなかったのですが、そこでの他社SIMとの速度を比べてみると、3社のうち一番遅いスピードという結果に。
SIM | 上り | 下り | ping |
---|---|---|---|
Viettel | 10.3 | 1.37 | 20ms |
mobifone | 11.5 | 2.57 | 20ms |
Vinaphone | 22.1 | 9.73 | 19ms |
10Mbpsあれば実用上は問題ないか、と思ったのですが、Yahoo!のトップページを開くのに20秒もかかってしまうので、その後もメインSIMとして使うこともなく終わってしまいました。
たまたま私が使った時間帯などの条件が悪かった可能性もあるので断定はできませんが、少なくともわざわざViettelを使う必要はないかな、というのが個人的な感想です。
ベトナムの通信事情
現地でお世話になったベトナム人の通訳の方にベトナムの通信事情を聞いてみました。
ホーチミンでは2017年から4Gが急激に普及してきたので、(2018年4月時点で)既に現地でも多くの人が4G契約に切り替えていて、3G契約の人はほとんど見なくなった、とのことでした。
今はほとんどのスマートフォンが4Gに対応しているので、いったん4G電波の普及が始まるとあっという間に広まっていくようですね。
ちなみにベトナム人に人気なのはAndroidスマホで、メーカーはSamSungやLGなどが主流のようです。
まとめ:初心者はAmazonでmobifoneのSIMカードを買うのがおすすめです

Amazonで購入したmobifone SIMには丁寧な説明書が
今回のベトナム旅行で3社のSIMを使ってみた感想は、「初心者はAmazonでmobifoneのSIMを買っていくのがよさそう」というものでした。
私が購入したこのSIMには丁寧な説明書もついていたので、スマホの設定やSIMの交換の経験さえあれば、恐らく無理なくベトナムSIMも使えると思います。
値段も600円台も十分安いですし、一度ぜひ試してみてください。